とうきょうこれくしょん

東京事変( Tokyo Jihen ) とうきょうこれくしょん歌詞
1.三十二歳の別れ

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

君は生真面目だと云うけど
僕は何時でも
好い加減に泳いでいるんだ。

顔を合わす度互いに
固い掟の牢屋へ閉じ
籠ってしまうね。

僕が居なけりゃ
女にも男にもならなくて良いよ。

払った犠牲を競うの止めよう、
情けなくなる 。
時代が軋んで変わっていく音・・
聴こえる?

ほらだれの所為でもないさ。


君が居なけりゃ
幸福にも不幸にも
ならなくて良いよ。

揺らいだ思いを
惰性と呼ぼうか、
切りがなくなる。

出會って赦して詰った
日々の直向きな癖。

若くて夢中で壊して傷んで
疲れ果てたいま、
時代が歪んで動いている音・・
聴こえる?

ほら僕ら離れ離れ。


2.禁じられた遊び

作詞:椎名林檎
作曲:伊澤一葉・椎名林檎

感じている知っている
頬杖で傾いて
横顔を捕まえている
一層ひと思いにさあ
頷いて焼き付いて
手前で弁別(わきま)えちゃ
期待が砕けるわ

噫視ている刺している
眼差しが微笑んで
この喉を結えている
一層ひと思いにさあ
貫いて噛み付いて
奥歯で躊躇(ためら)っちゃ
気管が縊れるわ

宵闇は片袖を逃げだす露玉匿った
これまでもこのさきも
あなたは一人しか居ないの

噫聴こえる発している
口振りは華やいで
この耳を戯えている
一層ひと思いにさあ
欺いて巻き付いて
黒眼で狼狽(うろた)えちゃ
鼓膜が強ばるわ

雨音は襟足の僅かな言葉奪って行った
どうしてもいますぐに
あなたを滅茶苦茶にしたいの

限りある時間(とき)
逆さに数えて
離れられない
孤独が際立つのに

乾いた侭黙って寄添う傘だけに見えてる
濡れた二人の前途(さき)へ残された結末ならば

初風は振り向いたさ乱れ髪を弄んだ
ほんとうならおしみなく
あなたを独り占めしたいの


3.かつては男と女

作詞:椎名林檎
作曲:浮雲

さざめく青さの盛り、立ち止まる術が無くて巡る季節
を先取りしていた。瞬く若さも終わり。「この侭昔のよ
うに‥」暮れ行く空を眺めて居たいと思って見上げる。
ひと気のない湿った目抜き通り。夕涼に視線を逃がし
ながら「お互い老けたね。」と、言う貴方の表情(かお)は子供
のようで、あどけなく八重歯を残す。見慣れた笑顔その
口元へ、一度触れれば二人再び始まりそうで、堅く利き
手を握り締めている。一言漏らせば終わり。「この侭昔
のように‥」暮れ行く街に紛れて居たいと思って飲み
込む。


4.キラーチューン

作詞:椎名林檎
作曲:伊澤一葉

「贅沢は味方」もっと欲しがります負けたって
勝ったってこの感度は揺るがないの
貧しさこそが敵

贅沢するにはきっと財布だけじゃ足りないね
だって麗しいのはザラにないの
洗脳(わな)にご注意

ご覧、ほらねわざと逢えたんだ
季節を使い捨て生きていこう
夜も秋も盗めないよ
貴方は私の一生もの

贅沢するにはきっと妬まれなきゃいけないね
ちょっと芳(かぐわ)しいのを睨まないで
欲しがらないなら

「今日は一度切り」無駄がなけりゃ意味がない
絶対美しいのは計れないの
溢れ出すから

ご覧、険しい日本(ここ)で逢えたんだ
探し出してくれて有り難う
空も恋も騙せないよ
私は貴方の一生もの


5.OSCA

作詞:浮雲
作曲:浮雲

ちょっとそこのMr.Kissは意外に硬派
ちょっとそこのSista Kissはすぐにと示唆

あんたちょっとつれないね お嬢さん
明日からもう夜通しでどうして居られようか
If you know her お前はもう秒殺

唯一のミスは実は腹の下
件のDSは実話 日常にあって

底無しで癒えない 嬲ろうか
なけなしの羽振りで揺さぶろうか
But you know her お前もそう暴発

嗚呼、疑わしい無罪 そのデバイス
Now 一皮剥ける合図 お呼びでない

真赤な OSCA ALFA 手なずけ走破
真金な目力を喰らった それは地上波

哀愁照りつけるオブリでせかすのだ
ノンケだしもう摂理で動くのだ
Don't you know her お前を猛調査

嗚呼、疑わしい無罪 そのデバイス
Now 一皮剥ける合図 お呼びでないな
相棒かも sista OSCA
Now 異種なら交配 その気配




6.ミラーボール

作詞:浮雲
作曲:浮雲

黙って見つめた傍のグラス 真紅に刷られた芳しい地図
その迷路を歩いて辿り着いたらすぐに
目を覆え その肌色が今に目を劈くぞ

狂った擬い物のジャズで踊る 大勢の巻き添えを連れて昇る
視線が染み込んでその曇りない肌色を
金色に変えていく もう遅いかもしれないな

ああもう堪らない 噛みついたって痛くはない
妄想 停まらない 汗で整髪(スタイリング)光る髪が
気道を絞って 酸素を忘れたい

深そうに見えるくるぶしの幸 皮一枚さえ触れずにいる
振りまいた幸に書いてあることは全て
本当かい? 見たことあるのかい? そうじゃないだろう

さあもうこの辺で正体見せろよ 真紅の洞窟を引き返せよ
もう忘れてしまったなら嘘の金色の肌が
光が消える頃に共に消えていくのかい?
決めたのかい?

ああもう堪らない 噛みついたって痛くはない
妄想 停まらない 汗で整髪光る髪
応答願いたい 立ち止まって見ていたくはない
もう追い続けたい どんな形のお終いなのか
ずっと輝く肌色を見ていたい
離れられない


7.復讐

作詞:椎名林檎
作曲:浮雲

Beautiful thing, you lock your sights, your hands are trembling
Savoring the taste of flesh and bone
Another one found, the rain it pounds, and something looks the
same
Innocence, you crave it black and cold
Take it down now, throw it down, all you men wear that crown

Beautiful things, what would you know, you're rotting from
within
The only self you care for is your own
Another one found, the rain it pounds, and something looks the
same
Pure young skin, there's madness in your sin
Take it down now, throw it down, all you men wear that crown

Are you afraid to close your eyes
Afraid there's nothing left to die
On hills of ice there burns a fire
I'm coming for you from behind

Crazy young man, you think you found, an alibi in privilege
You're hollow inside, it bothers you, I know
You try and fill it in, you'll never win, you're running just
the same
The thing you hate the most, a pure soul
Look around boy, look around, see you're all alone now

Shut out the noise that fills your mind
And in the end you'll see your life
You're burning up before the fire
You never heard me from behind

Sometimes I have dreams, of life,
And all that dies comes back to grow, it's beautiful, ahh
So no, you'll never really know
You'll never really know
You'll never even know, your final breath


8.ピノキオ

作詞:伊澤一葉
作曲:伊澤一葉

後悔された君の不器用さが本当はみんなを包んでる

「もう会えない?」

若く信じ過ぎた狂いそうで美しい君達

一度だけで壊す嘘
「やめて いやだよ」

沢山のピノキオ重なる

「ずっと向こうへ泳いでいこう」

異なる海
少し出会えた

驚嘆続きのニュース 妨害された時

「飲み込んだ僕を返せよ!!」

縛られた心地
誘導された口が悪
指帰を広めてる

「誰もしゃべらないで」と耳をちぎって

他人のせいにしても終わらない

「ずっと向こうへ泳いでいこう」

沈んだ君に何も言えず
朝が来たよ
音はしない

「知ってる」を繰り返すピノキオ


9.閃光少女

作詞:椎名林檎
作曲:亀田誠治

今日現在(いま)が確かなら万事快調よ
明日には全く憶えて居なくたっていいの
昨日の予想が感度を奪うわ
先回りしないで

今日現在(いま)を最高値で通過して行こうよ
明日まで電池を残す考えなんてないの
昨日の誤解で歪んだ焦点(ピント)は
新しく合わせて
切り取ってよ、一瞬の光を
写真機は要らないわ
五感を持ってお出で
私は今しか知らない
貴方の今に閃きたい

今日現在(いま)がどんな昨日よりも好調よ

明日からそうは思えなくなったっていいの
呼吸が鼓動が大きく聴こえる
生きている内に
焼き付いてよ、一瞬の光で
またとないいのちを
使い切っていくから
私は今しか知らない
貴方の今を閃きたい
これが最期だって光って居たい


10.透明人間

作詞:椎名林檎
作曲:亀田誠治

僕は透明人間さ きっと透けてしまう 同じ人には判る
噂が走る通りは 息を吸い込め 止めた儘で渡ってゆける
秘密も愉しいけれど直ぐ野晒しになるよ それを笑わないで
好きなひとやものなら有り過ぎる程有るんだ 鮮やかな色々

あなたが笑ったり飛んだり大きく驚いたとき
透き通る気持ちでちゃんと応えたいのさ
毎日染まる空の短い季節
真っ直ぐに仰いだら夕闇も恐ろしくないよ

僕は透明人間さ もっと透けて居たい 本当はそう願っているだけ
何かを悪いと云うのはとても難しい 僕には簡単じゃないことだよ
一つ一つこの手で触れて確かめたいんだ 鮮やかな色々

あなたが怒ったり泣いたり声すら失ったとき
透き通る気持ちを分けてあげたいのさ
毎日染まる空の短い季節
手を叩いて数えたらもうじきに新しくなるよ

恥ずかしくなったり病んだり咲いたり枯れたりしたら
濁りそうになったんだ
今夜は暮れる空の尊い模様を真っ直ぐに仰いでいる
明日も幸せに思えるさ
またあなたに逢えるのを楽しみに待って
さようなら


11.丸の内サディスティック

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎
編曲:亀田誠治

報酬は入社後並行線で
東京は愛せど何も無い
リッケン620頂戴
19萬も持って居ない 御茶の水

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ

最近は銀座で警官ごっこ
國境は越えても盛者必衰
領収書を書いて頂戴
稅理士なんて就いて居ない 後楽園

將來僧に成って結婚して欲しい
毎晩寢具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、
あたしをグレッチで毆って

青 噛んで熟って頂戴
終電で帰るってば 池袋

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
將來僧に成って結婚して欲しい
毎晩寢具で遊戯するだけ
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらベンジー、
あたしをグレッチで毆って


12.スーパースター

作詞:椎名林檎
作曲:亀田誠治

「未来は不知顔さ、自分で造っていく。」
多分あなたはそう云うと判っているのに
ほんのちょっとざわめいた朝に声を無くすの

私はあなたの強く光る眼思い出すけれど
もしも逢えたとして喜べないよ
か弱い今日の私では
これでは未だ厭だ

「答えは無限大さ、自分で造っていく。」
枯れ行く葉が相変わらず地面を護っている
そんな大地蹴って歩いては声を探すの

私はあなたの孤独に立つ意思を思い出す度に
泪を堪えて震えているよ
拙い今日の私でも

明日はあなたを燃やす炎に向き合うこヽろが欲しいよ
もしも逢えたときは誇れる様に
テレビのなかのあなた
私のスーパースター


13.群青日和

作詞:椎名林檎
作曲:H是都M

新宿は豪雨
あなた何処へやら
今日が青く冷えてゆく東京
戦略は皆無
わたし何処へやら
脳が水滴を奪って乾く

「泣きたい気持ちは連なって冬に雨を齎(もたら)している」
と、云うと疑わぬあなた
「嘘だって好くて沢山の矛盾が丁度善い」
と答にならぬ”高い無料(ただ)の論理”で
嘘を嘘だといなすことで即刻関係の無いヒトとなる

演技をしているんだ
あなただってきっとそうさ
当事者を回避している
興味が湧いたって
据え膳の完成を待って
何とも思わない振りで笑う

突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点
少しあなたを思い出す体感温度

答は無いの?
誰かの所為にしたい
ちゃんと教育して叱ってくれ
新宿は豪雨
誰か此処へ来て
青く燃えてゆく東京の日


14.夢のあと

作詞:椎名林檎
作曲:椎名林檎

ニュースの合間に寝息が聞こえる
期待したよりずっと静か

弦を爪弾けば盛者がまやかし
思えば遠き日結った髪も

手を繋いで居て
悲しみで一杯の情景を握り返して
この結び目で世界を護るのさ

蓮華の咲く頃柑子は実らぬ
期待するのは勝手だと云う

殺めないでと
憎しみで一杯の光景を睨み返して
その塊を果敢に解くのさ

「夢を見る拙さか」麗しき寝顔に問う

手を繋いで居て
喜びで一杯の球体を探り直して
この結び目が世界に溢れたら

ただ同じときに遇えた幸運を繋ぎたいだけ
この結び目で世界を護るのさ
未来を造るのさ